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『イノベーション基礎プログラム』第2回目 2027年1-2月
10月3日 修了生カンファレンス Re-Assemblage @ 川崎
Update
こんにちは、山内です。
5月の『Tim Brownと考えるデザイン思考前史と後史』の録画を公開しました。
また、Timさんと一緒にENND Partnersを立ち上げられた岩渕匡敦さんとのふりかえりをPodcastで公開しました(敗者のつぶやき #82 AI時代のデザインと経営)。
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このイベントの全ては、こちらの3つのNEWSLETTER記事にまとめています。
1本目 / 2 本目 / 3本目
このイベントを通して、今後のデザインの争点がかなり明確になりました。それを踏まえて、次のデザインの議論を進めています。今後もポッドキャスト、イベント、ニュースレターで配信していきたいと思います。重要な点を簡単にまとめておきます。
Timさんは、常に次の時代のデザインとは何かを問い続けてきました。2000年代半ばにデザイン思考を生み出したのも、時代の変化を読み取り、デザインの概念を価値転換したからです。それから20年経ち、時代が変化する中で、次のデザインが何かを考える必要があります。そして、180度違うことを言い始めたりします。
次のデザインとは何でしょうか? 人間はAIにできないことをやろうとか、AIを利用してデザインの効率を高めようというのではありません。人間の表現がAIの表現よりも上位であるという階層構造を解体し、AIを肯定することでもありません。今まで存在しなかったデザインを生み出さなければなりません。
80年代にBill MoggridgeさんやTimさんたちが「インタラクションデザイン」にシフトしたとき、それまで自分たちがやってきたプロダクトデザインを手放したのであって、全く未知の領域に跳躍したのです。おそらく旧来のデザイナーは、そんなもの自分たちの仕事じゃないと感じたと思います。同じように、デザイン思考を掲げたとき、多くの旧来のデザイナーからは反発がありました。そんなこと自分たちはずっとやっている、何がやりたいんだと。しかしデザインの布置を変えたのであって、そこがポイントではなかったのです。
それでは、次のデザインはどのようなものでしょうか? これは次の時代がどういうもので、それをどう表現するのかという問題でもあります。現在は、デザイン思考が生み出された2000年代に社会が前に進むのが止まり、2010年代に現実と切り離された表象の空間が発展した後、それが限界に来て先の暗いディストピアな時代となっています。ディストピアをそのまま暗く表現するのではなく、それを肯定することで可能性を見出す表現が求められています。
だから不可能性に直面することが重要です。私たちは理解や予測することができないという不可能性、あるいは選択し行動することができない不可能に直面しています。この不可能性から逃げて、残された可能なことに逃げ込むということでは、新しい時代を切り開くことはできません。そうではなく、不可能であること自体の中に飛び込む必要があります。不可能な現実の下にある不気味な領域を捉えて、選択や行動自体の基盤を崩すこと。次の時代はここが争点となりますし、次のデザインもここにかかっています。
しかし、そもそもそれはデザインが本来やってきたことでもあるはずです。デザイナーやアーティストは社会をよく見ることを身に付けています。普通には見えていないもの、例えば現実の下にある不気味なものに注意を払ったり、感じ取ったりしつつ、それを人々の前に示す方法を持っています。いつの間にか、デザインは、新奇なものを考える、アイデアを思いつくことが強調されるに従って、客体を観照して、パズルを解くようにいじるだけのものになってしまいました。しかし本来デザインが掲げられたのは、単に距離を取って見るのではなくモノを作るということの重要性であり、何かを理解するときには作りながら理解するという姿勢の必要性でした。この主体と客体の非分離、主体が客体となる欲望と享楽、客体とは主体であるという弁証法が重要になります。
ここではまだ抽象的にしか語れていませんが、かなり見えつつあったりもしますので、今後輪郭をはっきりさせて、発信していきたいと思います。
1. 『イノベーション基礎プログラム』第2回目 2027年1-2月
『イノベーション基礎プログラム』の第二回目を来年1月から4週間で実施します。是非ご参加ください。
1/23 土曜日対面(東京) 11:00-17:30
1/28 木曜日オンライン 19:00-21:30
2/6 土曜日対面(京都) 12:00-18:00
2/15 月曜日オンライン 19:00-21:30
2/20 土曜日対面(東京) 11:00-17:30
イノベーションを起こすための考え方と方法を集中して体験することのできるプログラムです。社会人の創造性人材育成拠点を作るという国のプログラムで立ち上げたものですが、今年からより広く多くの方に参加いただけるように、4週間の集中プログラムとして組み直しました(総時間数は同じです)。内容を理解し実践するだけではなく、同じように取り組んでいる社会人創造性人材のコミュニティに参加し、継続して自分を磨いていくことも魅力のひとつです。
「良いもの」を作れば売れる。あるいは「潜在ニーズ」を満たせば成功する。 これはイノベーションの本来の姿ではありません。本当のイノベーションとは、既存の価値観の中で良いものを提示することではなく、「良い/悪い」という評価基準そのものを解体し、書き換えてしまうことにあります。
まず、社会の微細な変化を捉えることから始まります。イノベーションは孤立したアイデアからではなく、歴史の流れの中から生まれます。まずは現在の社会を「点」ではなく「星座」として捉え直します。
次に、「意味」を攪乱し、歴史を断絶させます。これまでの歴史の延長ではなく、それに断絶を入れることで、これまでの「当たり前」を攪乱し、全く新しい意味の地平を提示する人文学的な方法論を探求します。
最後に、断絶を潔く表現し象徴を打ち立てます。よくないものを隠してよいものに仕立て上げるのではなく、よくないものをより強調(double down)していきます。
この方法論「エステティック・ストラテジー」の詳細については、こちらの動画などをご覧ください。
30名 (参加費 25万円・税込)
申込多数の場合には打ち切りあるいは選抜する可能性がありますが、できるだけ多くの方に参加いただけるように調整します。
詳細はこちら。https://assemblage.kyoto/innovation-basic/
ご不明な点があれば、気軽にご相談ください。
2. 修了生カンファレンス Re-Assemblage 10月3日 @ 川崎
京都クリエイティブ・アッサンブラージュの修了生限定ですが、恒例のカンファレンス “Re-Assemblage” をやります。
日時:2026年10月3日(土)
会場:Uvance Innovation Studio(川崎駅から徒歩数分)
https://fj-uis.com/ja/access
1部は、KCAの5年間の歩み総括と6年目に向けたこれからについてのトークセッション。終了後の実践をテーマにした修了生同士のディスカッションパートを予定。
2部は、懇親会を行います。
修了生の方は、mattermostで詳細を確認ください。
ポッドキャスト「敗者のつぶやき」
ポッドキャスト「敗者のつぶやき」では、プログラムにも関連する人文社会学のトピックを毎回議論しています。
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